最近、涙を流していますか?
泣くことを我慢していませんか?

ちょっとマイナスなイメージもある
「 泣 く 」という行為ですが、
そもそも人間に備わっている大切な機能です。

涙がこぼれてしまうことには、きちんと意味があるのです。

我慢するにはもったいない、
泣くことの意外なパワーをご紹介しましょう!


まず、一口に「涙」と言っても
種類があることを知っていましたか?

実はには、3つの種類があるんです!

【1】基礎的な涙  
…眼球を潤すために、常に分泌されている涙

【2】反射性の涙  
…外部からの刺激を受けた時に分泌される涙

【3】心因性の涙  
…感情の起伏によって分泌される涙

「基礎的な涙」と「反射性の涙」は、
目を守るための機能として役割がわかりやすいですね。

ただ、3つ目の「心因性の涙」については、
何のためのものか、ちょっとわかりづらい気が…。

実は、感情の動きによって涙が流れるメカニズムは、
あまりよくわかっていません。

しかし、「なぜ涙が流れるか」ではなく、「泣くとどうなるか」
という観点で考えると、心因性の涙の意味が見えてきます。

人は、泣こうとする時には気持ちが高ぶり【交感神経】が活発になります。
しかし、いざ涙が流れ始めると、 今度は【副交感神経】が活発になるのです。

交感神経は、人を興奮状態にさせる働きが、
副交感神経は、リラックス状態にさせる働きがあります。

泣いた後にスッキリした感じがするのはこのためです。


ある病院で、次のような実験が行われました。

患者を2グループに分け、片方のグループにだけ
落語の人情話を聞かせて 涙を流してもらいます。

すると、涙を流した患者グループは、もう片方のグループと比べて
病気への抵抗力が高まっていることがわかりました。

つまり、感情の動きによる涙には、
「人の心を落ち着ける働き」
「身体の抵抗力を高める働き」

の2つがあるということがわかります。

辛い時、悲しい時に涙が溢れてくるのは、
ストレスから心と身体を守るため
だと言えるのです。

まさに、人間が社会生活をする中で身に付けた自然治癒力
我慢することは心と身体にとって良くないのです。

「いや、ちょっと待って。
 じゃあ嬉し涙は何なの?
  それに、感動的な映画を観た時の涙は?」

そう疑問に思われた方も多いのではないでしょうか。

確かに、嬉し涙や、映画を観て感動した時の涙は
ストレスとは関係ないように思えます。

しかし実は、この涙には
人間の複雑な感情の動きが関係しているのです。

まず、嬉し涙について考えてみましょう。

「嬉し涙」とは言いますが、 嬉しい時であれば
いつでも涙が流れるわけではありません。

例えば、宝くじが当たった時には
涙を流すイメージはありませんよね?

嬉し涙というのは、 何かしらの苦境を乗り越えた結果としての
喜びに対して流れるものです。

つまり、
「そこに至るまでのストレスを解放するために泣く行為」
だと言えます。

次に、映画など他人のエピソードに感動をした場合についてです。

この時も、感動をする対象については、
「何らかの苦しみを乗り越えてきたこと」 が前提としてあるはずです。

人間は【 共感する能力 】が非常に発達しています。

映画の登場人物が味わった苦しみを
自分のことのように捉えられるのです。
そして、そのストレスを解放するために涙を流します。

このように、嬉し涙や感動の涙にも、苦しみやストレスが必要となります。
しかしそれは、過去のものや、擬似的なものです。

自分が直接ストレスにさらされて涙を流すよりも、
負担が少なくリフレッシュすることができるのです。

涙は人間が社会生活を送る上で
欠かすことのできない自然治癒力です。


普段、泣きたくても泣けない方は、
自分の部屋で感動的な映画を観るなどして、
こっそり涙を流しましょう。

泣いてスッキリした分、笑えることも増えるはずです。
たくさん泣いて、たくさん笑って、 快適な人生を過ごしましょう♪