皆様は、

・なんとなくダルさが続く
・立ちくらみやめまいがする
・風邪が長引く
・肩こりや腰痛を感じる
・集中力が落ちている気がする


といった症状にピンとくるでしょうか?

これらは、「貧血」の代表的な症状です。

血液の成分であるヘモグロビンには鉄分が使われており、
貧血と言えば、
鉄分の不足が原因の1つであることは有名ですよね。

しかし、冒頭のような自覚があっても
血液検査で貧血状態の指標となるヘモグロビン濃度(Hb)を調べると
“正常範囲内”の結果が出る場合があるのです。

「貧血だと思ったのに…。
じゃあこの症状は一体何?(;o;)」


と、いうことになりますが、
実はこれには血液の成分である
鉄分に関する「ある秘密」が隠されているのです。

今回は、そんな鉄分の秘密に関して
お話しさせていただきます!

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鉄分の秘密
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一言に鉄分といっても、
身体の中では鉄分を大きく2つに分けることができます。

1つは血液の成分として酸素を運ぶ「機能鉄」
簡単に言うと、赤血球にあるヘモグロビンに含まれる鉄分を指します。

そして、もう1つが
今回のポイントとなる「貯蔵鉄」です!

そう、読んで字のごとく、
鉄分は身体の中で「貯まる」仕組みがあるのです。

鉄分を貯めているのは、
「フェリチン」という水溶性のたんぱく質。
内部に鉄分を貯めておける仕組みを持つ、いわば鉄分の貯蔵庫です。

身体は血液を作る時、このフェリチンから鉄分を補います。
この仕組みによって、
ヘモグロビン濃度(Hb)が適正に保たれるため
フェリチン不足からくる隠れた貧血状態
気が付けない場合があるのです。

鉄分は血液の成分として以外にも、
・増えすぎた活性酸素の除去
・免疫機能の維持
・疲労回復
・美肌効果

…etc
といった役割を果たしているため
真っ先に使用されていく 「貯蔵鉄」が枯渇すると
身体のいたるところで鉄分不足が起きて
様々な不調をきたしてしまいます。

女性に貧血の方が多いのは、
怪我による出血の他に、
月経時もこの貯蔵鉄が使われることが理由です。

このような潜在的な鉄分不足は、
フェリチン検査でチェックできます。
もし、ご自身の状況を知りたい場合は血液検査と合わせて、
フェリチン検査をしてみてくださいね。

このフェリチン不足からくる隠れた貧血状態も、
日常の食生活から、意識して鉄分を摂取することで
改善が見込めます!

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鉄分を意識した食事をしましょう!
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第189話でもご紹介した通り、
豚レバー、鶏レバー、しじみなどに含まれるヘム鉄
吸収率が高いためおすすめです。

動物性たんぱく質(肉、魚、卵、牛乳など) や
ビタミンCと一緒に摂ることで吸収効率が上がります。

一方で、
さつまいも、キャベツに含まれるシュウ酸や
コーヒー、紅茶に含まれるタンニンは
ヘム鉄の収効率を下げる要素になるので食べ合わせにご注意ください。

また、鉄製の調理器具を使用する
料理に鉄分が溶けだして効率的に摂取できることが
実験によって証明されています。
徹底した貧血対策をお考えの方は、
こちらもぜひ検討してみてくださいね!

貯蔵鉄を十分に補って、
ハツラツな毎日を過ごしていきましょう!