私たちの身体をめぐって酸素や栄養を届けながら、
同時に老廃物や二酸化炭素を
運び出す役割を果たしているのが
「血液」です。

血液は様々な成分から構成されており、
中でも酸素を運搬している
「赤血球」は有名ですよね。

では、そんな
赤血球が“老化”する、
というのはご存知でしょうか?


赤血球にも寿命があり、
やがて酸素の運搬機能が衰えていきます。

そんな時に、
「新旧の赤血球の入れ替え」担当している臓器があります。
それは「脾臓(ひぞう)」です。

胃や肝臓とは違って、
日常の中ではなかなか話題にのぼらない脾臓。

しかし、
「血液の若さをキープする機能」や
「免疫機能」
などの健康を保つために
とても重要な役割を果たしている器官です。

今回は、私たちの健康を支えてくれている
縁の下の力持ち、脾臓の働きについてご紹介いたします!

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脾臓は身体のリサイクル担当?
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赤血球の寿命は約120日です。

酸素の運搬を繰り返し寿命間近になった赤血球は、
柔軟性が無くなって、毛細血管まで
入り込みにくくなってしまいます。
すると、酸素をうまく細部まで運搬できなくなってしまうのです。

そこで登場するのが、「脾臓」です。
脾臓は握りこぶしほどの大きさで、
左胸のすぐ下、左腎臓のすぐ上に位置しています。


様々な役割を担う脾臓ですが、
特徴的な働きの1つに
寿命が近づいた赤血球の「破壊」があります。

破壊というとビックリされるかもしれませんが、
これは血液の若さを保つために必要な働きです。

脾臓は網目状の構造をしており、
寿命が近づいた赤血球だけを引っかける機能があります。

そして、引っかかった寿命の近い赤血球だけを破壊して
中の鉄分を取り出し、貯蔵して、
新しい赤血球(血液)を作る
骨髄(こつずい)へ鉄分を渡します。


そう、脾臓は”鉄分のリサイクル”を担当しているのです。

また、脾臓の中に存在しているリンパ小節といわれる部位では
リンパ球が作られています。

これは、私たちの身体に侵入してきた
細菌やウイルスを破壊してくれるもの。
身体を守ってくれる抗体を作ることも、脾臓の役割なのです。


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脾臓をいたわるコツ!
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脾臓は身体の防御機能を支えています。
そのため、脾臓に負担がかかると
身体にも様々な影響を及ぼします。
日ごろの心がけで、脾臓をいたわりましょう!

★普段の生活で意識しましょう!
脾臓は、ストレスや疲れによってダメージを受けてしまいます。

血液の質が保てなくなってしまう以外にも
免疫機能も低下してしまうため、
基本的な心がけではありますが、
しっかりと睡眠をとること、
また適度なストレス解消
を意識しましょう。

また、猫背など姿勢が悪いと、
脾臓はもちろん内臓全体にも
悪い影響を及ぼしてしまいますので、
普段の姿勢を見直してみましょう。

★血液の質を高めましょう!
脾臓がダメージを受けるとリサイクル機能を含め、
様々な働きが阻害され血液の質を
保ちにくくなる可能性があります。

そして、この状態が続いてしまうと、
さらに脾臓に負担がかかる…という
負のスパイラルが起こってしまいます。

毎日の食事から血液の「質」を高めて
脾臓の負担を軽減しましょう!

赤血球の成分である鉄分を多く含むレバーや貝類、
ほうれん草はもちろんのこと、
以下のような栄養素も血液の質を高める上で重要です。

■タンパク質
鳥ささみや納豆、お豆腐は
ヘルシーにタンパク質を摂取できます。

■ビタミンB1、B2
ビタミンB1であれば
豚肉、たらこ、えだ豆など。

ビタミンB2であれば、鳥レバーです。
こちらは鉄分の摂取にも効果的ですよ。

日常の食事から手軽に摂取できるものばかりですので
積極的に取り入れてみてくださいね!

★ツボ押しも効果的!
左足の裏、以下の図の箇所には脾臓のツボがあります。
※右足、左足で存在するツボが異なります。
  脾臓のツボは左足の裏です。


ツボを押して、硬さや痛みがあれば
脾臓に負担がかかっている可能性があります。
ツボを押すことで、老廃物の排出や
代謝のサポートが期待できますよ!

ツボを押す時は、少しだけ強めに3~5秒かけてひと押しするのがコツ♪
10回を目安に行ってみてください。
※決して無理はしないでくださいね。

健康の「縁の下の力持ち」である脾臓をいたわって、
病気に負けない元気な毎日を過ごしていきましょう!