和菓子の原料となる葛粉で
有名な(くず)ですが、
健康に役立つ嬉しい効果が
いくつもあるんです!

今回はそんな葛についてお話しします。
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葛ってどんなもの?
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秋の七草の一つでもある
名前は知っていても
どんな見た目か知らない方も
多いのではないでしょうか。

葛はマメ科の多年草で、
藤の花を逆さまにしたような形の
紫色の花が咲きます。


主に日当たりの良い山野に生える
ツル性の植物です。

葛からは、和菓子の原料のほかにも、
生薬や布までつくることができ、
具体的には以下のように
利用されています。

■葛粉
葛の根から繊維質を取り除き、
デンプンだけを取り出して
乾燥させたものが葛粉です。

和菓子の原料ともなる葛粉ですが、
ほかにも湯に溶かした葛湯(くずゆ)は
身体を芯から温め、消化も良いことから
昔は風邪の引きはじめに
よく飲まれていました。


■葛根(かっこん)
葛の根を切って乾燥させたものを
葛根といいます。

主に食品としてではなく、
漢方や生薬として使われ、発汗、
解熱作用があるといわれています。

また風邪の引きはじめに飲まれる
「葛根湯(かっこんとう)
」という漢方も
この葛根が使われています。

■葛花(かっか)
葛の花も乾燥させると
二日酔いの改善に良いとされる
葛花という漢方薬となります。

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葛の健康効果
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使用する葛の部位によって
効能は変わってきますが、
こちらでは主な健康効果について
ご紹介します。

■β-シトステロール
植物の持つ健康成分の一つで、
化粧品や医薬品にも
使われている成分です。

コレステロールの吸収を
抑えてくれるため、
血中のコレステロール値を下げ、
高血圧などの予防が期待できます。

■サポニン
β-シトステロールと同じく、
血中のコレステロールの上昇を
抑えてくれる働きがあります。

またアルコールを分解してくれるため
二日酔いを防止する効果も
期待できます。

■ダイゼイン、ゲニステイン
マメ科の植物に多く含まれる
イソフラボン。
葛にもその一種である
ダイゼインとゲニステインが
豊富に含まれており、
更年期などで起こる血圧の上昇や
コレステロールを抑えてくれる
作用があります。

女性ホルモンと似た働きがあるため、
骨の形成を促し
骨粗しょう症対策が期待できるなど、
特に女性の強い味方でもあります。

葛根や葛花は
直接手に入れる機会は
あまりないと思いますが、
医薬品や漢方の材料となるため
実はお世話になったことがある方も
多いかもしれませんね。


いかがでしたか?
山野に幅広く生息する葛。
身体を温めたいときは、
ぜひ甘みをつけた葛湯を
飲んでみてくださいね。