体調を崩して病院に行ったときに、
漢方薬を処方されたことは
ありませんか?

病院では西洋薬を処方されることが
多いかと思いますが、
漢方薬が処方されることも
当たり前になってきましたね。

今回はそんな漢方について
お話しします。



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漢方は日本発祥の医学
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漢方と聞くと中国をイメージされる方も
いるかと思いますが、
実は日本で独自に発展した医学です。

中国から生薬などとともに
医学が伝わったのは5~6世紀以降で、
はじめは伝来した中国の医学にそって
診断や治療が行われていましたが、
その後日本の風土や気候、
日本人の体質などに合わせた
進化を遂げ、発展してきたのが
現在の「漢方」です。

■漢方の考え方
漢方では「証(しょう)」と
「気・血・水(き・けつ・すい)
という考え方があります。

■証
証とは、その人の体質や
症状を含めた状態をあらわすものです。

そのため証が異なっていれば、
同じ症状が出ている場合でも、
処方される漢方薬は変わってきます。

■気・血・水
気は「生命エネルギー」、
血は「全身を巡る血液」、
水は「血液以外の体液や水分」
のことを指します。

この「気・血・水」が
体内を滞りなく循環することで、
臓器や各組織が正常に働き、
心身の健康が保たれます。


そのため漢方では主にこの
「気・血・水」の状態を診て
薬を処方したり、
不調の問題を探っていきます。

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漢方医学と西洋医学
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漢方医学と西洋医学には
それぞれが得意とする分野があり、
考え方そのものが違います。

■漢方医学
身体全体の調子を整え、
本来持っている身体の治癒力を
自然に高めることを基本としています。

また心と身体を
一つのものとして考えます。

その漢方医学にもとづいてつくられる
漢方薬は、自然の植物や鉱物などの
生薬を複数組み合わせて
つくられた薬です。


■西洋医学
不調の原因になっている部分に絞って
集中的に治療するもので、
治療の効果が
短期であらわれることも多く、
用いられる薬は精製された
ほぼ純粋な薬物が使用されます。

根本的な考え方が異なる2つですが、
熱や痛みをとったり、
血圧を下げたいときには西洋薬を使い、
検査ではあらわれにくい不調などには
漢方薬を使うなど、
お互いの長所を活かして
両方処方されることも
一般的になってきています。

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風邪の症状でもたくさんある漢方薬
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前述したように
同じ病名や症状だとしても、
漢方の場合は薬も
人によって変わってきます。

こちらでは、
風邪の場合に処方される漢方薬を
簡単にご紹介します。

■葛根湯
かっこんとう
風邪の初期症状でよく聞かれる葛根湯。
葛根をはじめとした生薬のほか、
甘草
かんぞうや芍薬しゃくやく
配合されています。

体力がある程度ある状態の人向けで、
肩こりや頭痛の症状にも使われます。

■麻黄湯(まおうとう)
葛根湯と同じく風邪の初期に
使われることが多いですが、
比較的症状の重い場合に使われ、
葛根湯よりも
強い発汗を促す作用があります。

新陳代謝の高い子供に向いており、
熱の出る急性の疾患(初期)にも
使われます。

■麦門冬湯(ばくもんどうとう)
体力が低下している人向けで、
咳が続くときに用いられる
昔ながらの漢方薬です。
また、咳が出る風邪のほかにも
気管支ぜんそくの症状が
出ているときにも使用されます。


上記で紹介した以外にも
風邪の際に処方される漢方薬は
数種類以上あります。

また、風邪はそのときによって症状も
様々なため、長引く場合などは
処方される漢方薬も
変わることがあります。


いかがでしたか?
最近では、漢方薬も科学的に検証され、
有効性が実証されてきています。

薬が苦手な方も多いかもしれませんが、
体調を崩したりしたときには、
西洋薬のほか
漢方薬の力も借りてみてください。

ただし、持病のある方や
薬を服用中の方は、
医師や薬剤師に相談をしてから
試すようにしてくださいね。