「冷えは万病の元」といわれるように、身体が冷えるとさまざまな不調を引き起こしたり、病気の原因につながりやすくなります。

自分は冷え性ではないから大丈夫……と思っていても、実は身体の深部が冷えている「低体温」という場合もあります。

今回はそんな低体温についてお話しします。

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もしかして低体温?冷え性との違い
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一般的に冷え性とは、他人がそこまで寒いと感じていないのに、手足やおなか、腰など特定の部位または全身が冷たい状態のことを指します。

ただし、身体の一部が冷たくとも身体内部の温度は正常に保たれていることが多いです。

一方で低体温とは、脳や内臓など身体内部の温度である「深部体温」が35℃以下になることをいいます。

深部体温は皮膚の上からでは正確に測れないため、専用の体温計を使い、直腸や鼓膜で測ります。
(市販の体温計では測ることはできませんので注意してください。)

健康な人の深部体温は36~37℃で、寒い冬でも環境に影響されることなく一定に保つよう調節されています。

しかし、深部体温が35℃以下になると、意識や判断力、循環機能の低下が起こり、低体温症を引き起こします。

低体温は山や海など低温の環境に長時間さらされることで起きやすくなりますが、栄養状態が悪かったり、筋肉量の減少が大きい場合には身体の代謝が低下し、特別な環境下にいなくても起こり得ます。

■身体に与える影響
低体温は軽度の場合でも、身体の巡りが悪くなったり、免疫力が低下するなどさまざまな影響が出てきます。

しかし、低体温は冷え性と違って自覚症状がない場合がほとんどです。

気付かないうちに体調が悪化することもあるため、普段の食事から十分に栄養が摂れていない、筋肉量が少ないなど、痩せている傾向にある方や高齢者の方は特に普段の生活から予防を心がけることが大切です。

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低体温を予防しよう
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■身体を温める食事を摂る
ショウガやニンニクなど身体を温める食材を積極的に取り入れましょう。
卵や納豆などのたんぱく質は体温上昇にも役立ちます。



朝食は身体への影響が大きいため、しっかり食べることで体温を安定させることにつながります。

また、白湯(さゆ)を取り入れることもおすすめです。
起床後や就寝前、食事のときなどコップ1杯ずつ(約200ml)をこまめに飲むと効果的です。

■運動をする習慣をつける
身体の熱量の6割は筋肉から作り出されます。
ゆっくりスクワットをしたり、つま先立ちや足踏みをしてみるなど身体を動かす習慣を作るようにしましょう。
徐々に運動量や時間を増やすとより◎です。

■入浴で身体を温める
シャワーだけでなく湯船で身体を温めることは健康維持の点でも大切です。
温度は38~40℃の少しぬるい程度がおすすめです。10~15分を目安に入るようにしましょう。


いかがでしたか?
低体温の予防には普段の生活から身体を冷やさない習慣を心がけることが大切です。

自覚症状がほとんどない低体温は気が付くのが遅くなりがちのため、食事・睡眠・運動といった生活習慣を改めて、まずは予防することを意識してくださいね!